【都市伝説其の九】丑の刻参り
夜中にふとコンビニに行った帰り道。
近道をしようと神社を突っ切っていたら、
何か硬いものがぶつかりあう音が聞こえた。
こんな時間に何をやっているんだろう…
気になって音が聞こえてくる方へ足を向けた。
それはひっそりと奥まった場所から聞こえてくる。
気付かれないように足音を殺して近付くと。
真っ白な服を着た女が、一心不乱に木に何かを打ち付けていた。
直感で『これはヤバイ』と悟り、急いで戻ろうとして…
不意に女が振り向いた。
鬼のような形相で振り返った女は、目があった途端いきなり襲い掛かってきた。
すくむ足を必死に動かして、近くの公衆トイレに逃げ込む。
一番奥の個室で鍵をかけて震えていると、誰かが入ってきた。
ぎぎぃ…
蝶番を軋ませ、入り口から一番近い個室が開けられる。
そして、二番目。
それから、三番目…隣の個室。
きっと殺される。
そう感じて、恐怖に必死に耐えた。
けれど、いつまでたっても扉に手がかかる気配がない。
不審に思いつつも、
『もしドアを開けた時に女が立っていたら…』
と思うと恐怖で身がすくんだ。
そして、そのまま夜が明けた。
さすがにもう平気だろうと、おそるおそる扉を開く。
隙間から差し込む朝日に安堵の息を零した。
が、何故かドアはそれ以上開かなかった。
何度か押してみるが、どうやら何かがつっかえているようだ。
思い切り開き、そのまま固まってしまった。
ドアの前で女が首を吊っていた。
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