【心霊其の八】振り返る友達
去年の冬、私、友達二人の三人で学校から帰ってたんです。
嫌な天気でした。なんだかちょっと曇って少し肌寒く、空は暗い灰色でした。
一人は昔の大地主のお嬢様。もう一人は、受験のことで頭がいっぱいな様で何時も二言目には内申書の話をするような、そんなコだったんです。
その内申書のことで頭がいっぱいになってるコ、歩いてると百メーター位の間隔でたびたび後ろを振り向く癖があるそうなんです。変なクセだな…と思って「何で?」と軽い気持ちで聞くと彼女はゆっくり私に教えてくれたんです。
小さいころ、変なおじいさんの幽霊に付きまとわれて以来、ずっとそれがトラウマになって十数年その癖が抜けないそうなんです…。
わたしは信じられませんでした。ベタな表現ですが、文字通り、背筋が「ゾクッ」としました。彼女は、「視える」そうなんです。
彼女は非科学的なものは信じない、そんな雰囲気の人でした
。
そうしたら、もう一人のお嬢様のほうも言うのです。
彼女の家の誰もいないはずの天井裏から、時々ねずみにしては大きすぎる何かが這いずり回るような音がするらしいんです。
彼女の家なら納得です。彼女の家は、何かが出てきてもおかしくないくらい古い家でしたから。
私はその場は「誰かコッソリ住んでるんちゃうん?」と茶化しましたが、なんだかちょっと言い表しにくい感覚に襲われました。
私も、ある蒸し暑い真夏の夜、なかなか寝付けなくてぼうっと天井を見つめてたんです。
そうしたら、天井を何かの影がすっと横切っていくのです。
最初は、漠然と「つけっぱなしにしていた扇風機の影だな、ありゃ」と思っていたのですが、
よくよく考えると部屋の電気は消したはずなんです。
部屋に間接照明を置いてはいたんですが、寝る前なんでそれも消したはずなんです。
それに、扇風機の影が動いているのならば、扇風機が首振り運転してたと考えるのが普通ですが、
首振り運転だったらじきに影が戻ってくるはずなんですよね。往復しているんですから。
しかし、その影はずっと行ったっきりでした。
周りがこんな様子だから、私は怖い話を読んだりお化け屋敷に行っても、ぜんぜん怖く感じないんです。
実体験や実話より怖いものは無いのですから。
(匿名希望さんからの投稿)
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