【心霊其の十】彷徨う人
 今度は私の体験を。
 私は寮で見たり、その近辺で見たり…でした。
 あとから気付くんですよ、いないはずの人を見たって。
 まず、寮生活一年目のときの話しから。
 同級生と二人部屋だったのですが、
 ある夜、部屋の子が、私の枕元に正座して、
 私の寝顔を覗きこんでるんですよ。
 なんか、心配そうに。
 私はド近眼なうえ乱視で、
 部屋も豆電球で暗かったので顔はハッキリ見えませんでした。
 いびきでもかいていたのか、
 うなされていたから心配してくれたのかなと思い、
 「ん?どうしたの?」
 と起き上がろうとしました。
 すると、その人影はスッと立ち上がり部屋を出ていってしまいました…。
 「???」。
 次の日部屋の子に、
 「昨日、覗き込んだあとに、トイレ行った?」
 と聞いたら、表情固くなって必死に首を横に振る…
 そのあと二人とも何とも言えない恐怖で言葉がでませんでした。
 次の日、その話しがクラスにまわりました。
 するとある先輩から声がかかりました。
 「昨日、わたしも…」
 と。
 その先輩もすでに周りに話したあとだったんですが…
 部屋が舎監室挟んで隣なんですよ。
 同じように枕元に表れて、
 部屋の子かなっと思って目を覚ました瞬間、部屋から出ていったそうです。
 寮では色んなことがありました。
 夜中トイレに行こうと廊下を歩いて
 エレベーターホール前を通りすぎようとしたとき、いきなりドアが開いたり…
 部屋替えで、別の部屋になったときのこと。
 同室の子がその日別の部屋に遊びに行っていたので先に寝ていたら、
 夜中忘れ物を取りに部屋に戻ってきました。
 そのときは寝付けずハッキリ目が覚めていました。
 次の日、
 「何忘れてたの?」
 と聞いてみたら、
 「???一回も戻って来てないよ…」
 と…。
 あとから知った話し、昔、一人の寮生が、
 カルト宗教に連れ去られ行方不明になっている事実があるそうです。
 未だに見つかっていないとか…。
 私の他2人、“見える”“気配を感じる”人がいるのですが、
 共通していたのは、
 “同じ年くらいの女の子”
 “悪い感じではないが、何かを探している・訴えかけるような淋しい感じ”
 でした。
 怖い話し、大嫌いで避けてるんですが、
 見たくない・感じたくないのに、見てしまいます。
 その幽霊(?)は、今も彷徨っている気がします。

(紫陽花さんからの投稿)
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